健康と美容に牡蠣は最適
牡蠣に多く含まれるビタミンB群には、糖質や脂質を分解したり、エネルギーに変えたりするなどの活力に関する働きがあります。また、血液の合成に関与するため、不足すると貧血につながるため大変重要です。また、皮膚や粘膜の炎症を防いだり、代謝を促進するなど、皮膚や粘膜の健康を維持する効果や、皮膚や毛根に栄養を与えるなどの効果があります。健康な体、美しい肌や髪にはなくてはならない栄養素です。
ビタミンB「群」と呼ばれるのには理由があります。ビタミンB群には複数の種類がありますが、それぞれが単独では効果を発揮しにくいことが分かっています。ビタミンB群の効果を得るためには、ビタミンB群を一緒に摂取することが大切だとされています。牡蠣にはビタミンB群のすべての種類が非常に多く含まれているため、ターンオーバーによる肌のハリに加え、アミノ酸の働きできめが細かく、また皮下のメラニン色素を分解することから美白効果があるとされています。
牡蠣は可食部(食べられる部分)100gあたり、70kcalしかありません。牡蠣は栄養価が高い食品なのに、1個(約20g)あたり、約14kcalと、ダイエットに適した食品です。(文部科学省「食品成分データベース」より)
牡蠣に含まれる糖質の50%以上が、効率よくエネルギーに変わるグリコーゲンです。また牡蠣に多く含まれるタウリンの有名な効能に疲労回復がありますが、そのほかにも抗肥満作用、コレステロールの上昇を抑える効果があるダイエットの強い味方です。また、タウリンには温泉成分と同じ硫黄が含まれていますので、美肌効果も期待できます。
亜鉛は美肌ミネラルとも呼ばれます。その理由は、抗酸化作用のあるビタミンAの吸収を高め、細胞の新陳代謝を促進させるアンチエイジング効果があるからです。また、その他の亜鉛の効果としては、メラニン色素の代謝を促す美肌効果、髪に潤いを与える効果のほか、女性ホルモンの分泌、免疫力アップ、生活習慣病の予防効果など、挙げればきりがありません。
牡蠣は、全ての食品の中で亜鉛含有量がトップクラスです。ただ、亜鉛の性質として、吸収率があまりよくないというものがあります。これを助けるのがレモン、かぼす、すだちなどに含まれるビタミンCです。亜鉛とビタミンCを同時に摂取することで亜鉛の吸収率が上がることがわかっています。焼き牡蠣、蒸し牡蠣、カキフライなどに柑橘類が添えられているのは、理に適っているわけです。
鉄には保温効果があるので、冷え性に悩む女性には欠かせない栄養素です。また、銅は赤血球中のヘモグロビンをつくるために鉄を運ぶ重要な役割を担っています。このため鉄と銅のどちらが足りなくても貧血になってしまいます。牡蠣は鉄と銅、両方の含有量が非常に多いので、高い造血(血液をつくる)作用が見込まれ、貧血予防に最適な食品といえるでしょう。
冷え性は放っておくと、血液の循環が悪い状態が続くため、肥満、内臓疾患、免疫力低下や肌荒れの原因となってしまいます。牡蠣に含まれる鉄は、ヘム鉄と呼ばれる体内に吸収されやすい形なので、体に効率よく鉄を補給できます。また、妊娠中や授乳期は、体内の鉄分が失われやすくなるので意識して鉄分の補給を行うことが重要とされています。
牡蠣の食用としての歴史は非常に長く、また世界中で食されています。牡蠣にはグリコーゲンのほか、必須アミノ酸をすべて含んでいるので、「完全栄養食品」と呼ばれています。また、タンパク質やカルシウム、亜鉛、鉄、銅などのミネラル類、豊富なビタミンB群をはじめ、さまざまな栄養素が含まれるため、古くから「海のミルク」とも呼ばれるスーパーフードです。
必須アミノ酸とは、動物の体に必要なタンパク質を構成するアミノ酸のうち、体内で充分な量を合成できず栄養分として摂取しなければならないアミノ酸のことをいいます。ヒトの場合は8種類(または9種類)といわれていますが、牡蠣は必須アミノ酸が全種類含まれている珍しい食品で、「奇跡の食品」とも呼ばれています。