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ごあいさつ
漁業運営委員長 園 日出夫
当支店の漁業は、日本三大干潟のひとつ、自然環境豊かな中津干潟を利用した採介藻・のり養殖、続く砂質の好漁場では、建て網漁・カゴ漁、さらに続く沖合では底曳網漁などが盛んに行われています。
しかしながら、近年は地球温暖化などの環境変化により、あさり等の干潟漁業が急速に衰退しました。
このため、環境変化に対応した新たな養殖業として、日本初のオーストラリア方式、干潟でのマガキ養殖を開始しました。
今後は、マカキの安定生産を目指し、地元の特産物である鱧・ベタ(舌平目)などと共に販売体制を確立し、地域に愛される漁協を構築したいと思います。皆様方のご指導・ご鞭撻をいただけますようお願い申し上げます。
概要
設立 | 平成14年4月1日(漁連・信漁連、及び県内27支店合併による) |
所在地 | 大分県中津市字小祝525-10 |
組合員数 | 123名(正組合員110名、准組合員13名)【平成30年4月1日現在】 |
運営委員 | 5名 |
職員 | 7名 |
事業 | 信用、共済、購買(燃油・資材)、販売、利用(漁船ドッグ)、指導、無線 |
主漁業 | 干潟域 採介藻漁業(あさり・はまぐり・おごのり・あおのり)、のり養殖 中間域 建て網漁・カゴ漁(たこ・いか・がざみ) 沖合域 船曳網漁(さより・きす・たい)底曳網漁(はも・舌平目・こち) |
漁業の取組
当組合では大分県並びに中津市との協力体制により、環境変化により急激に減少した水産資源の増殖、また海や魚に親しんでいただくことを目的とし次の取組を実施しています。
クルマエビ放流
沖合に設置した円柱状の囲い網の中でクルマエビを自然環境に馴致させ放流しています。
ガザミ(ワタリガニ)放流
稚ガザミの放流と共に、抱卵ガザミの自主放流を実施しています。
ヨシエビ放流
環境変化に強く、天ぷらなどで美味なヨシエビの放流を実施しています。
二枚貝増殖の取組
激減したアサリ等二枚貝の再生を目指し、アサリ増養殖、バカ貝の保護試験、外敵駆除等の取組を実施しています。
カキ試験養殖
新たな干潟養殖漁業として平成24年度に着手しました。
海苔養殖の品質向上
養殖のりの品質向上なため、不足した栄養補充のための施肥、漁場清掃、冷凍網の活用などを実施しています。
魚食普及活動
魚離れが進む中、漁協女性部による舌平目や鱧、コウイカなど地魚を使った料理教室や加工品の開発・販売を展開しています。
漁業権について
漁業権とは一定の水域において排他的に一定の漁業を営む権利であり、
「共同漁業権」「区画漁業権」「定置漁業権」 の3種類があります。
共同漁業権
「漁業協同組合の組合員が一定の水域を共同利用して営む漁業」を「共同漁業」といい、大分県海面では、第1種~第3種の3種類の共同漁業が営まれています。
○第1種共同漁業 | 藻類、貝類、定着性の水産動物を目的とする漁業 |
○第2種共同漁業 | 刺網などの網漁具を移動しないように設置して、水産動物をとる漁業 |
○第3種共同漁業 (つきいそ漁業) |
人工的につくった魚礁を設置して、集まった魚類を捕る漁業 |
これらの共同漁業を営む権利を共同漁業権といい、共同漁業権の設定区域では、一般のかたがこの権利を侵すと漁業権侵害として罰せられることがあるので注意が必要です。
【第1種共同漁業権の設定区域内で禁止されている行為】
○第1種共同漁業権の設定されている区域内で、漁業権の対象となっている
藻類:あまのり、わかめ、てんぐさ等
貝類:あわび、さざえ、あさり等
定着性水産動物:たこ、なまこ、いせえび等
を権利を有する漁業協同組合に無断で採捕すること。
※たこ釣りもこれに該当します。
漁業権ごとに漁業権の対象となっている水産動植物が異なります。
【第3種共同漁業権の設定区域内で禁止されている行為】
○第3種(つきいそ)共同漁業権の設定されている区域内で釣りをすること。
【第2種共同漁業権の設定区域内で注意する事項】
※第2種共同漁業権の設定されている区域内には、刺網や小型の定置網など固定式の漁具が敷設されており、船舶を用いて遊漁を行う場合、網を切るなどのトラブルや人命に関わる事故の原因となりますので、特に海面に旗や浮きがある付近は航行しないようにしましょう。
区画漁業権
区画漁業(=養殖業)を営む権利のことを「区画漁業権」といい、大分県海面では、のり・わかめ養殖、カキなどの垂下式貝類養殖、たいやハマチなどの小割式魚類養殖が営まれています。
※区画漁業権の設定されている区域内には、養殖が行われている漁期中多くの養殖施設が敷設されており、船舶を用いて遊漁を行う場合、養殖施設を破損するなどのトラブルや人命に関わる事故の原因となりますので、付近を航行する際は十分注意しましょう。ょう。
定置漁業権
大型の定置網を長期間、一定の場所に設置して行う漁業を営む権利を「定置漁業権」といいます。
※定置漁業権の設定されている区域内は、区画漁業権の設定区域と同様に、大型の漁具が敷設されており、船舶を用いて遊漁を行う場合、漁具を破損するなどのトラブルや人命に関わる事故の原因となりますので、付近を航行する際は十分注意しましょう。